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外国人スタッフの住居手配は、どの契約形態が物件を見つけやすく、契約しやすいか?

坪井 HaruNest
9 分前
読了時間: 9分

はじめに


外国人スタッフの住居を手配するとき、「誰の名義で契約するか」によって、不動産会社が紹介できる物件の数や、審査で承認されるかどうかが大きく変わります。


契約の形は、大きく次の4つに分けられます。


  • 日本在住の本人名義の個人契約

  • 海外在住の本人名義の個人契約

  • 雇用企業名義の契約

  • 登録支援機関など人材会社が借りて入居させる転貸契約


この4つの契約形態を、「紹介できる物件の数が多く、審査でも承認されやすい(=物件が見つかりやすく、契約しやすい)」順に並べると、私たちの経験では、次のようになります。


  • 1位:雇用企業名義の契約

  • 2位:日本在住の個人契約


この1位と2位は、地域を問わず変わりません。差が出るのは3位と4位です。

大都市圏と、空き物件の多い地方都市とでは、海外在住の個人契約と転貸契約の順位が入れ替わります。


今回の記事では、こうした順位になる理由を、「紹介できる物件の数」と「審査の通りやすさ」の2つの視点から整理します。

※個人契約は入居者1名で、その入居者が名義となることを想定しています。


目次

  • はじめに

  • 第1章 4つの契約形態の仕組み

    • 第1節 個人契約――日本在住の本人名義/海外在住の本人名義

    • 第2節 雇用企業名義の契約

    • 第3節 登録支援機関など人材会社の転貸契約

  • 第2章 紹介できる物件数と契約のしやすさを比較する

    • 第1節 大都市圏の順位――雇用企業名義 > 日本在住の個人 > 海外在住の個人 > 転貸

    • 第2節 地方都市(空き物件が多い地域)の順位――雇用企業名義 > 日本在住の個人 > 転貸 > 海外在住の個人

    • 第3節 契約のしやすさ――審査で承認されるかどうか

  • 第3章 この順位を踏まえた契約形態の選び方

    • 第1節 まず「雇用企業名義」と「日本在住の個人契約」を軸に考える

    • 第2節 来日前や、企業名義が難しい場合の考え方

    • 第3節 契約形態が、物件確保のボトルネックになることがある

  • まとめ




第1章:4つの契約形態の仕組み



第1節:個人契約——日本在住の本人名義/海外在住の本人名義



日本在住の個人契約は、すでに来日している外国人本人が契約者になる形です。

在留カード、収入、緊急連絡先といった審査に必要な書類を、国内で揃えやすいのが特徴です。


海外在住の個人契約は、来日前の外国人本人が契約者になる形です。

海外にいる状態で審査や本人確認を進める必要があり、日本で使えるクレジットカードを持っていないことも多いため、初期費用の支払いに海外送金や代理人払いが必要になる場合もあります。



第2節:雇用企業名義の契約



雇用企業名義の契約は、受け入れ企業が契約者になり、従業員が入居する形です。審査の対象が本人から法人に移ります。


大家や管理会社にとっては、契約の相手が日本の法人であるため、家賃の支払いや連絡体制の面で安心できる材料が多くなります。



第3節:登録支援機関など人材会社の転貸契約



転貸契約は、登録支援機関や人材会社が物件を借り、外国人を入居させる形です。登録支援機関や人材会社と入居者本人が雇用契約がない(直接の関係がない) 為、いわゆる又貸しと言われるものです。民法上、転貸(又貸し)には貸主である大家の承諾が必要とされています。


一般的な賃貸借契約書には、「賃借権の譲渡や転貸、入居者名簿に記載のない人の同居や共同使用、営業目的での一時的な貸し出し、第三者への使用貸借を禁じる」という趣旨の条項が置かれていることが多くあります。転貸は、こうした条項と相いれない契約種別になりやすいのです。


また、正直にお伝えすると、一時期増えた「民泊」にまつわる悪い話や、ルームシェアなどで不特定多数の入居者が入れ替わりトラブルになる貸し方を避けたいという理由から、大家や管理会社に敬遠されやすい契約でもあります。


もちろん、すべての機関の運用に問題があるわけではありません。ただ、大家や管理会社の側から、そう見られやすいのが現実です。





第2章:紹介できる物件数と契約のしやすさを比較する



第1節:大都市圏の順位

——雇用企業名義 > 日本在住の個人 > 海外在住の個人 > 転貸



東京、名古屋、大阪、福岡といった大都市圏では、弊社の経験上、次の順に物件が見つかりやすく、契約しやすくなります。


雇用企業名義 > 日本在住の個人契約 > 海外在住の個人契約 > 転貸契約


契約形態によって、不動産会社が紹介できる物件の数そのものが変わります。

外国人が入居できる物件は、個別に問い合わせても8〜9割は断られるのが実情で、そこに契約形態の条件が重なります。


入居率のよい大都市圏では、大家や管理会社は借り手に困りません。契約相手を選べる立場にあるため、リスクがある契約形態は避ける傾向にあります。その結果、雇用企業名義と日本在住の個人契約が上位になります。


海外在住の個人契約は、審査や本人確認が難しく、対応できる物件が限られますが、転貸よりは契約の形として受け入れられやすい傾向があります。


転貸契約は、契約条項との関係に加え、民泊や入居後のトラブルのイメージから、大家や管理会社が避けたい契約種別になっています。紹介できる物件は大幅に少なくなっているのが現状です。


さらに、駅近、築浅、家賃が安いといった条件のよい物件を、海外在住の個人契約や転貸契約で探すのは、上位2つに比べてかなりハードルが高くなります。もともと選べる物件が少ないところに、条件を重ねることになるためです。


直近2年ほどで家賃が値上がりしている状況では、「去年の春ごろは借りられたから」という過去の経験も通用しなくなっています。同じ条件、同じ契約形態でも、今は借りられなかったり、家賃が上がってしまったりすることがあります。



第2節:地方都市(空き物件が多い地域)の順位

——雇用企業名義 > 日本在住の個人 > 転貸 > 海外在住の個人



空き物件が多い地方都市では、順位が変わります。


雇用企業名義 > 日本在住の個人契約 > 転貸契約 > 海外在住の個人契約


空き物件が多い地域では、大家や管理会社が「空室を埋めたい」という事情を抱えており、契約形態への許容度が上がります。そのため、大都市圏では敬遠される転貸契約でも、大家の承諾が得られる物件が出てきます。転貸契約の順位が、海外在住の個人契約を上回るのはこのためです。


一方、海外在住の個人契約は、物件数が多い地域でも、審査や本人確認、決済の壁が残ります。そのため、順位が上がりにくくなっています。


ここで押さえておきたいのは、1位と2位は大都市圏と変わらないという点です。「雇用企業名義 > 日本在住の個人契約」は、地域を問わず変わりません。


また、地方でも、条件のよい物件を海外在住の個人契約や転貸契約で探すのは、上位2つと比べて難しくなります。家賃の値上がりが続く中、過去の経験は当てにしにくくなっています。



第3節:契約のしやすさ——審査で承認されるかどうか



物件が見つかっても、審査で承認されなければ契約できません。ここでは、審査の通りやすさを契約形態ごとに見ていきます。


雇用企業名義: 法人の信用で審査を通しやすい契約です。安定した連絡先と、家賃の支払い元があることが、大家や管理会社の安心材料になります。


日本在住の個人契約: 在留カード、収入、在留期間、緊急連絡先、保証会社の審査に左右されます。ただ、国内で書類を揃えられるため、審査の土俵には乗りやすくなります。


海外在住の個人契約: 書類の確認や本人確認、緊急連絡先の確保が難しく、審査のハードルが上がります。来日前の手配では、海外からの審査に対応できる物件に絞られます。


転貸契約: 審査というより、大家の承諾が得られるかどうかが最大の関門です。運用の実態や、入居者の管理体制を、大家や管理会社に納得してもらう必要があります。


ちなみに、入居が複数人になる場合は、日本在住でも海外在住でも個人契約の場合は、物件数は少なく、審査も通りにくくなります。

それは、複数人になれば物件の家賃も上がり、契約名義人の支払い能力に疑問符が付き、かつ入居後のトラブル時の対応で契約名義人本人が対処できないと考えられている為です。

また、契約内容をよく理解していない為、大家や管理会社に事前の承諾を得ず、入居者が変わっていたり、入居制限人数以上の人数が入居していたという過去の事例の影響からでもあります。

特に入居率が安定している大都市圏での、外国人複数名の入居は、家族の場合を除いて、難しいと考えていた方が無難でしょう。





第3章:順位を踏まえた契約形態の選び方



第1節:まず「雇用企業名義」と「日本在住の個人契約」を軸に考える



物件が見つかりやすく、契約もしやすいのは、雇用企業名義と日本在住の個人契約です。

まずはこの2つで進められないかを検討するのが、現実的な出発点になります。


すでに来日している人材であれば、日本在住の個人契約でも良いですし、受け入れ企業が契約者になれる場合は、雇用企業名義。このように整理すると、判断しやすくなります。

雇用企業名義を選ぶ場合は、契約者が企業になる点を、社内であらかじめ判断しておく必要があります。



第2節:来日前や、企業名義が難しい場合の考え方



来日前で、企業名義にもできない場合は、海外在住の個人契約か転貸契約を検討することになります。

ただ、どちらも物件数が限られ、審査や承諾のハードルが高くなります。


どちらがまだ現実的かは、地域によって変わります。

大都市圏では海外在住の個人契約、空き物件の多い地方では転貸契約が、相対的に進めやすい傾向があります。


どちらの場合も、駅近、築浅、家賃の安さといった条件をすべて満たす物件は、見つけにくいことを前提に、希望条件の優先順位を決めておくことが大切です。

「去年は借りられた」という経験は、家賃が上がった今は通用しにくくなっています。



第3節:契約形態が、物件確保のボトルネックになることがある



外国人が入居できる物件を確保できるかどうかは、契約形態がボトルネックになる可能性があります。


契約形態によって、物件側の対応可否や審査の進め方が変わります。

そのため、物件を探す段階で、どの形なら契約できるのかを確認しておくと、後からの手戻りを防げます。

契約形態を決めてから物件を探すのではなく、物件探しと契約形態の検討を同時に進める。この視点を持っておくことが重要です。





まとめ


外国人スタッフの住居手配では、「雇用企業名義 > 日本在住の個人契約」という順位は、地域を問わず変わりません。3位と4位は、大都市圏と、空き物件の多い地方とで入れ替わります。


転貸契約は、契約条項との関係に加え、民泊や入居後のトラブルのイメージから大家や管理会社に敬遠されやすく、紹介できる物件が大幅に少なくなっています。

海外在住の個人契約も含め、条件のよい物件を探すのは、家賃が値上がりしている今、かなりハードルが高いのが現実です。


契約形態は、物件を確保できるかどうかを左右します。

だからこそ、物件探しと契約形態の検討は、同時に進めることが大切です。


HaruNestでは、外国人の入居に前向きな不動産会社とのつながりを活かした物件の手配に加え、ライフラインの手配や、提携の専門業者による家具家電の手配まで、入居に至る実務をワンストップでご相談いただけます。どの契約形態で進めるべきか迷われたときは、お気軽にHaruNestまでお問い合わせください。



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