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外国人スタッフの住居費、会社はどこまで負担すべきか?

  • 坪井 HaruNest
  • 2 日前
  • 読了時間: 7分

はじめに


「外国人スタッフの住居費、うちはどこまで負担すればいいのだろう」

——採用担当者であれば、一度は考えたことがあるテーマではないでしょうか。


全額会社負担にすれば求人の魅力は上がりますが、受け入れ人数が増えるほどコストは際限なく膨らんでいきます。かといって本人負担の割合を上げれば、会社の持ち出しは抑えられても、天引き額をめぐるトラブルの火種になりかねません。


この問いに絶対的な正解はありません。ただし、「相場感」「税務上の扱い」「採用競争力」という3つの視点を押さえておけば、感覚ではなく根拠を持って負担額を設計できるようになります。本記事では、この3つの視点から住居費負担の考え方を整理していきます。





第1章:住居費負担の現在地を知る



第1節:「どこまで」の判断が難しい理由——企業側のジレンマ



住居費の負担を全額会社負担にすれば求人上での差別化にはなりますが、受け入れ人数が増えるほどコストが青天井に膨らみ、経営を圧迫するリスクがあります。

一方、本人負担割合を上げれば会社の持ち出しは抑えられますが、天引き額への不満や認識の相違が発生する可能性があり、トラブルの火種になりやすいのも事実です。


さらに厄介なのは、業種・地域・在留資格によって適正な負担割合が変わってしまうことです。会社がどこまで負担するかは、「これが相場」という一律の正解は存在せず、多くの企業が手探りで金額を決めているのが実情です。 まずは、その手探りの土台となる相場感を整理してみましょう。



第2節:初期費用と月々の負担、それぞれの相場感



海外から新たに人材を招聘する場合、渡航費用と住居準備費用(家具・家電を含む)を合わせると、概ね30~40万円程度の初期費用がかかるのが一般的な相場です。

この初期費用は、技能実習制度では企業負担が必須とされている一方、特定技能制度では本人との合意のもとで本人負担にできる柔軟性があります。


月々の住居費については、家賃を全額会社が負担するケースから、一定額を従業員から徴収するケース、契約から月々の支払いまで個人に任せるケースなど、企業によって幅があります。


社宅制度の中の実務上では、家賃相当額のうち一定割合を従業員から徴収する運用が多く見られます。ここで注意したいのは、都市部と地方では家賃水準そのものが大きく異なる点です。「一律〇〇円」といった固定額ではなく、地域相場に応じた設計が欠かせません。



第3節:住居費補助が離職・定着に与える影響



住居費の負担割合が高いほど、初期の応募や入社の後押しにはプラスに働きやすい傾向があります。ただし、それだけで長期的な定着が保証されるわけではありません。


現場の実感としては、「初期費用の負担が少ないこと」が来日直後の安心材料になり、入社の意思決定を後押しする一方、月々の負担額も引き続き影響を与え続けます。毎月の手取りが想定より少ないと、生活のゆとりのなさが不満として蓄積し、離職や転職検討のきっかけになりやすいためです。


つまり、初期費用の設計は「入り口」の後押しになり、月々の負担額は「その後の定着」を左右するという、それぞれ異なる役割を持っていると捉えるのが実務的な整理です。





第2章:税務・社会保険上の扱いを正しく理解する



第1節:現金支給の「住宅手当」は原則課税



住宅手当として現金を支給する場合、これは給与所得とみなされ、所得税・住民税・社会保険料の算定対象になります。これは国税庁が示している原則的な取り扱いです。

たとえば、住宅手当として月2万円を支給した場合、年間で24万円分がまるごと課税所得・社会保険料の算定対象に加算されます。


現金支給は分かりやすい制度ですが、従業員の手取りにも会社の法定福利費にも、そのまま負担が上乗せされる仕組みになっている点は押さえておく必要があります。



第2節:社宅・借り上げ社宅なら非課税にできる仕組み



一方、社宅や借り上げ社宅として住居を提供する場合は、扱いが変わります。国税庁のルールでは、従業員から「賃貸料相当額」の50%以上を徴収していれば、会社が負担する部分は給与として課税されません。


この賃貸料相当額は、固定資産税評価額や床面積をもとに算出される金額で、実際の家賃相場よりも低くなる傾向があります。そのため実際には、家賃の50%より低い徴収額であっても非課税の要件を満たせるケースになることもあります。


同じ会社負担額であっても、現金の住宅手当から借り上げ社宅に切り替えるだけで、従業員の手取りが増え、会社の社会保険料負担も抑えられるという、双方にメリットのある仕組みです。



第3節:制度設計で気をつけたい落とし穴



注意したいのは、家賃を給与から天引きする際の手続きです。

労働基準法第24条に基づき、賃金控除に関する労使協定の締結と、外国人本人の書面による同意が必要になります。この手続きを怠ったまま天引きを始めてしまうと、後になって本人から「聞いていない」「同意していない」と指摘され、トラブルに発展しかねません。


また、徴収額の内訳や算定根拠を、本人が理解できる言語で明示していないケースも見受けられます。「なぜこの金額を引かれているのか分からない」という状態は、たとえ税務上は適正な処理であっても、本人の不信感につながります。家具・家電の費用を上乗せして徴収する場合も、実費を超えて利益を上乗せすることは認められていないため、合理的な金額にとどめる必要があります。


また、借り上げ社宅は契約・徴収・更新の手続きが発生するため、事務負担が増えやすい点にも留意が必要です。何より、こうした税務・社会保険の扱いは会社ごとの状況によって判断が分かれるため、制度を導入する際は自己判断せず、顧問税理士や社会保険労務士に確認することをおすすめします。





第3章:採用競争力という視点からコストを設計する



第1節:住居費補助は「見えやすい福利厚生」として競争力に直結する



求人票や紹介の場面で「住居費補助あり」「初期費用は会社負担」と明記できることは、それ自体が分かりやすいアピールポイントになります。監理団体や登録支援機関からの紹介の受けやすさにも影響してくる部分です。


賃金水準を大きく引き上げるのが難しい企業ほど、住居費補助という切り口で実質的な待遇差を打ち出せる余地があります。



第2節:地域・業種によって最適な負担割合は異なる



都市部で高い給与を提示できる企業は、本人負担割合を高めに設定しても人材を確保しやすい傾向があります。一方、地方や最低賃金水準に近い企業ほど、住居費補助を厚くする必要性は高くなります。


ただ、最初からすべてを会社負担にする必要はありません。募集状況を見ながら「まず渡航費を会社負担に」「応募が集まらなければ住居費補助を追加」といった段階的な条件改善で、採用コストを最適化していく考え方も有効です。


自治体によっては住居の借り上げ費用や家賃経費の一部を補助する制度も用意されているこのもあるため、活用できれば企業負担を抑えながら手厚い住居支援を打ち出すことも可能です。



第3節:コストと定着率のバランスを取るための考え方



補助額を増やすことだけが差別化の手段ではありません。初期費用の少なさ、手続きの分かりやすさ、そして入居後のフォロー体制まで含めたトータルの安心感が、結果的に定着率に効いてきます。


負担割合や税務上の取り扱いの設計そのものは、税理士・社会保険労務士など専門家に相談すべき領域です。


一方で、決まった条件のもとで実際にどう住居を用意するか——物件探しや契約、電気・水道・ガスといったライフラインの手配、入居に必要な家具・家電の準備といった実務は、自社だけで完結させようとすると担当者の負担が大きくなりがちです。こうした部分は、WelcomeNestJapanのような住居手配の専門サービスに任せることで、入居までのスピードと負担軽減の両方を実現できます。





まとめ


「どこまで負担すべきか」に絶対的な正解はありません。相場感、税務上の有利さ、そして採用競争力という3つの視点をかけ合わせて設計することが重要です。


現金の住宅手当として支給するより、社宅・借り上げ社宅として制度設計した方が、同じコストでも従業員の手取りと企業の負担、双方にメリットが出やすいというのが実務上の示唆です。

負担割合そのものの設計は税理士・社会保険労務士への相談が前提となりますが、決まった条件のもとで実際の住居をどう用意するか——物件手配やライフラインの契約、家具・家電の準備で迷う場合は、WelcomeNestJapanへぜひ一度、お問い合わせください。



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