なぜ不動産会社はここまで確認するのか ― 外国人社員の部屋探しで最近よく聞かれる質問ランキング
- 坪井 HaruNest
- 42 分前
- 読了時間: 9分

外国人社員の方の部屋探しを、不動産会社に依頼していると、
同じような質問を何度も受けます。
「日本語は、どれくらい話せますか?」
「緊急連絡先に、日本人の方はいますか?」
「一緒に住むのは、ご家族ですか?」
あまり、外国人の住まいの手配に慣れていない方だと、
最初は「なぜそこまで細かく聞かれるのだろう」と感じるかもしれません。
担当者としては、当該の外国人社員は働くところも決まっていて、収入もある。
それなのに、思ったより貸してくれる部屋が少ない。
そんなことを、何度も経験した方もいらっしゃるでしょう。
ただ、不動産会社とやり取りを重ねるうちに、
これらの質問が単なる確認事項ではなく、
現場の“経験則”から来ていることが分かってきます。
過去に、
緊急時に連絡が取れなかった
生活ルールが伝わらず、クレームが止まらなかった
同僚同士の入居が途中で崩れ、オーナーに損害が出た
このようなことを、管理会社もオーナーも実際に経験したところが増えています。
この記事では、
実際に外国籍の方の部屋探しをサポートする立場で
不動産会社から「最近、よく聞かれること」を
1位から3位まで、ランキング形式で整理しました。
差別や感情論ではなく、
なぜその質問が出てくるのか。
どうすれば入居の可能性が広がるのか。
その背景を知っているだけで、
外国人社員の部屋探しは、驚くほど進めやすくなります。
今後の部屋探しの参考にしてみてください。
第1章|第3位:日本人で緊急連絡先になってもらえる人はいますか?

1-1.緊急連絡先は「連絡先」ではなく「トラブル時に対応してくれる人」
仲介不動産会社が緊急連絡先を重視する理由は、「何かあった時に電話がつながるか」ではありません。
現場で求められているのは、トラブル発生時に状況を理解し、必要な対応を取ってくれる人かどうかです。
実際の賃貸管理では、鍵の紛失や設備トラブル、深夜の騒音、近隣からの苦情、長期間連絡が取れない入居者の安否確認など、即判断・即対応が必要な場面が多くあります。
その際、管理会社だけで全てを完結できないケースも少なくありません。そのため「その場で動いてくれる可能性があるか」「話が通じるか」という視点で、緊急連絡先の実効性が見られています。
1-2.緊急連絡先が機能しなかったことで起きた現実
過去に、入居者本人と連絡が取れなくなったという管理会社やオーナーは多くいます。
さらに緊急連絡先も外国人だった場合、日本語をよく理解できず、対応してくれないというケースも起こりえます。
その結果、夜間対応や現地確認、近隣対応まですべて管理会社やオーナーが担うことになり、未納家賃の損害や残置物の処分などの費用もオーナーや管理会社が負担しなければならなくなったという話もよく聞きます。
特に外国人入居の場合、この状況を一度経験すると、オーナー側に「また同じことが起きるのではないか」という強い不安が残ります。
こうした経験が積み重なり、契約前の段階で「この緊急連絡先は本当に機能するのか」という点を厳しく確認するようになってきています。
1-3.なぜ「日本人」を希望されることが多いのか
この質問は、国籍そのものを問題にしているわけではありません。
実務上は、日本語で状況説明ができ、日本の生活ルールや責任の所在を理解している可能性が高いかどうかを見ています。
トラブル時に説明が通じ、必要な判断や行動を取ってもらえる相手かどうか。
その判断材料として、「日本人」という属性が分かりやすく使われているだけです。つまり確認しているのは国籍ではなく、安心して任せられる人物かどうかなのです。
第2章|第2位:この入居者は「家族」ですか?

2-1.「家族かどうか」はリスクではなく“安定性”を見る質問
賃貸物件の管理物件やオーナーが入居形態を確認する際に重視しているのは、「問題が起きるかどうか」だけではなく、長期的に安定した入居が見込めるかという点もあります。
家族での入居は、生活の拠点が明確で、仕事や学校などの事情から簡単に引っ越す可能性が低いと判断されやすい傾向にあります。オーナーにとっては、頻繁な入退去や原状回復の手間が減るため、「家族利用」は安心材料の一つになります。
その結果、家族入居と分かることで、同僚や友人の複数入居では紹介されなかった物件が紹介されることがあります。
2-2.同僚や友達での入居が倦厭されやすい理由
同僚や友達同士の入居は、現場では慎重に扱われがちです。
その最大の理由は、人間関係が住み始めてから変化しやすい点にあります。
実際には、生活リズムや金銭感覚の違い、仕事の変化などをきっかけに関係が悪化し、一方が突然退去したり、連絡が取れなくなったというケースもあります。
その結果、家賃未払い、残置物の放置、契約違反による途中解約などが発生し、最終的にオーナーに損害が出ることになります。
こうした実例があるため、同僚・友人同士の入居は「不安定になりやすい」と判断されやすいのです。
2-3.家族でも評価があまり変わらないケース
ただし、「家族」であれば必ず有利になるわけではありません。
例えば、片親のみでの入居や、これから家族を海外から呼び寄せる予定の場合、実際の居住実態は不安定と判断されることがあります。
また、短期滞在が前提の場合も、家族かどうかによる評価差はほとんど出ません。不動産会社が見ているのは言葉上の家族構成ではなく、その住まい方がどれだけ現実的で、継続性があるかです。
第3章|第1位:日本語での会話はどれくらいできますか?

3-1.日本語力は「会話力」ではなく「ルール理解力」
仲介不動産会社が日本語レベルを最重要視する理由は明確です。
見ているのは流暢さではなく、日本の賃貸ルールを理解し、実際に守れるかどうかです。
ゴミ出しの曜日や分別方法、騒音に関する注意、共用部分の使用ルールなど、日本の賃貸には細かな決まりが多くあります。これらは説明されても、内容を正しく理解できなければ守ることができません。最近は、N3やN4と伝えても「じゃあ、あまりコミュニケーションとれないですね」と判断する不動産会社も出てきています。
不動産会社にとって日本語力とは、「話せるか」ではなく「説明が通じるか」を測る指標です。
3-2.言葉が分からないことで生じた苦労と嫌な経験
現場では、言葉が十分に通じないことによるトラブルが繰り返し発生しています。
注意しても改善されない、同じ内容を何度も説明する必要がある、「分かった」と言われたのに行動が変わらない、といった状況です。
その結果、近隣からのクレームが増え、不動産会社が間に入って調整を続けることになり、最終的にはオーナーの不満が大きくなります。
こうした経験が、「日本語が通じない状態での入居は避けたい」という判断につながっています。
3-3.不動産会社が最も避けたい状態
不動産会社が最も避けたいのは、トラブルが一度起きることではありません。
本当に困るのは、説明しても改善されない状態が続くことです。
日本語が完璧である必要はありませんが、分からないことを確認し、指摘された点を修正しようとする姿勢があるかどうかは非常に重視されます。最終的に見られているのは、日本語力そのものよりも、理解しようとする態度と対応力なのです。
まとめ|仲介不動産会社が見ているのは「安心して貸せるか」
管理会社やオーナーが、外国人の入居希望者に対して日本語力や入居形態、緊急連絡先について繰り返し確認するのは、差別や偏見が理由ではありません。
過去に実際に起きたトラブルや損害、対応に苦労した経験の積み重ねが、「必ず確認すべきポイント」として残っているだけです。
現場では、
緊急時に誰とも連絡が取れなかった
生活ルールを何度説明しても改善されなかった
同僚・友人同士の入居が途中で崩れ、家賃未払いが発生した
といった事例を、管理会社もオーナーも実際に経験しています。
また、仲介会社は部屋探しをする上で、管理会社やオーナーのこのような不安を取り除いて、紹介できる物件を見つけたいと考えています。
その結果、「最初の段階で分かることは、できるだけ確認しておこう」という判断が強くなっているのです。
さらに、日本語力・入居形態・緊急連絡先以外にも、実務上は次のような点が総合的に「安心して貸せるか」を判断する材料として見られています。
勤務先の安定性
どの会社に勤めているか
雇用形態はなにか
現在の所在地
すでに日本国内に居住しているか
海外在住の場合、審査ができる条件を満たしているか
身分証・本人確認書類の有無
在留カードやパスポートをすぐ提示できるか
勤務先からの証明はだせるか
これらは単独で合否を決めるものではありません。不動産会社とオーナーが見ているのは、「連絡が取れるか」「問題が起きた時に対応できるか」「長く安定して住み続けられそうか」という点です。
完璧な日本語や理想的な条件が求められているわけでもありません。説明を理解しようとする姿勢があるか、分からないことを確認できるか、責任を持って住み続ける意思が伝わるか。
その安心感が伝わるかどうかが、入居できるかどうか、そして選べる物件の数を左右しています。
では、企業担当者としてこれから何をすればいいのか
外国人社員の部屋探しをスムーズに進めるために、担当者としてできることは、決して特別なことではありません。
緊急連絡先、時には保証人になっていただける方を事前に確認しておく
独身の外国人社員の住居は、できるだけ1Rや1Kにする
日本語に不安がある場合は、フォローする体制を整えておく
書類関係は、依頼の前に準備しておく
これだけでも、不動産会社の安心感は大きく変わります。
不動産会社も依頼をいただいた部屋探しについては、できる限り、紹介できるよう努めています。しかし、万能ではありません。
オーナーと入居者の間で、トラブルが起こらないようにするために慎重になっているだけです。
その前提を理解したうえで情報を整理し、「この社員は大丈夫です」と説明できる材料をそろえてあげること。
それが結果的に、入居できる物件を増やし、部屋探しを前に進める近道になります。
事前の準備について、ぜひ検討してみてください。
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