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【2026年最新】家賃相場から課題・解決策まで徹底解説——外国人材の住居手配、その現実と突破口

  • 坪井 HaruNest
  • 19時間
  • 読了時間: 9分

はじめに:家賃高騰が、外国人材の住居手配を直撃している



外国人材の受け入れ実務に携わる企業の人事担当者や登録支援機関の方であれば、近年の賃貸市場の変化を肌で感じているのではないでしょうか。


「以前は問題なく決まっていた家賃帯の物件が、今は予算オーバーになってしまう」

「希望条件に合う物件が減って、手配に時間がかかるようになった」

——こうした声が、外国人材の住居支援の現場から増えています。


2026年現在、東京23区のカップル向け物件(30〜50㎡)は27ヶ月連続で過去最高家賃を更新中。

全国的にも家賃は右肩上がりで推移しており、これまで通用していた住居手配のノウハウが通じにくくなっています。


家賃の高騰は、単に「コストが増える」だけの問題ではありません。

企業担当者にとっては住宅手当の予算管理や社宅コストの見直しという経営的な課題として、登録支援機関の担当者にとっては支援対象者の生活水準の確保と支援工数の長期化、増大という実務的な課題として、それぞれ異なる形で影響が出始めています。


本記事では、2026年最新の家賃相場データをもとに、家賃高騰が外国人材の住居手配にどのような新たな課題をもたらしているかを整理し、現場で実践できる具体的な対応策をご紹介します。






第1章:2026年、日本の賃貸市場は今どうなっているのか




1-1. 全国主要都市の家賃相場比較


まず、現在の賃貸市場の全体像を把握しておきましょう。「暮らしコストラボ」の2026年データによれば、全国の1K・1DKの平均家賃は約5.0万円、ワンルームは約4.5万円です。主要都市ごとに見ると、以下のような開きがあります。


エリア

1K・ワンルームの家賃目安

全国平均(1K・1DK)

5.0万円

東京23区

7.0万円〜9.0万円

大阪市

5.0万円〜6.0万円

名古屋市

4.5万円〜5.5万円

福岡市

4.0万円〜5.0万円


注目すべきは、同じ東京23区内でも大きな格差があることです。

港区では14〜17万円台が相場となる一方、葛飾区では5.5〜6.5万円台の物件も存在し、エリアを少し変えるだけで住宅手当のコストが大きく変わります。

地方圏(宮崎県・秋田県など)では2万円台の物件もあり、採用エリアの戦略的な選定が企業のコスト構造に直接影響する時代になっています。




1-2. 東京23区の家賃は「27ヶ月連続で過去最高」


東京23区の家賃上昇は特に顕著です。GTN MAGAZINEが引用する2025年9月時点のデータ(2026年予測の基準値)を見ると、いずれの間取りでも前年比+3.0%以上の上昇が続いています。


面積帯

平均家賃

前年同月比

30㎡以下(シングル向き)

104,359円

+3.0%以上

30〜50㎡(カップル向き)

170,337円

+3.0%以上

50〜70㎡(ファミリー向き)

248,032円

+3.0%以上


特にカップル向き(30〜50㎡)は27ヶ月連続で過去最高値を更新中。

家賃が上がれば、入居時に必要な初期費用も比例して増加します。

来日直後の外国人材が自力でこの費用を準備することは、現実的に困難なレベルに達しています。




1-3. 上昇トレンドはなぜ続くのか——構造的な2つの要因


この上昇傾向には、短期的な需給変動ではなく、長期にわたる構造的な背景があります。


① 都心回帰による住宅需要の高まり

国土交通省「地価LOOKレポート(2025年第2四半期)」によると、利便性の高いエリアを中心にマンション需要が堅調に推移しています。リモートワーク定着後、再び都市部への居住ニーズが高まっていることが背景にあります。


② 東京圏への転入超過の拡大

総務省の住民基本台帳人口移動報告(2024年)では、外国人を含む東京圏への転入超過が拡大傾向にあります。特に生産年齢層の流入が、賃貸需要を継続的に押し上げています。

この構造が続く限り、都市部の家賃は今後も高止まり、あるいは緩やかな上昇が見込まれます。

外国人材の住居手配を「都度対応」で済ませてきた企業や支援機関にとって、コストと手間の両面でリスクは年々高まっています。






第2章:家賃高騰が生み出す、住居手配の新たな3つの課題


外国人であることによる入居拒否や保証人問題は、以前から続く根本的な課題です。

しかし2026年の現場では、家賃高騰に起因する「新たな課題」が急速に表面化しています。

従来の対応策が通じにくくなっている背景には、次の3つの構造的な問題があります。




2-1. 「希望家賃」と「市場家賃」のミスマッチが、手配を長期化させている


企業の住宅手当の上限や、外国人材本人が希望する家賃帯が「数年前の相場感」のまま据え置かれている場合、担当者が物件を探しても、条件に合う物件がなかなか見つからず、手配期間が長期化するという問題が起きています。


また、コスト負担を減らすためにルームシェアを検討するケースも増えていますが、都心部ではルームシェアを禁止している物件が増加傾向にあり、選択肢として機能しにくくなっています。

家賃高騰の「しわ寄せ」を個人の工夫で吸収しようとしても、そもそも選べる物件の幅が狭まっているのが現状です。


さらに、低価格の希望家賃帯の物件には問い合わせが集中することで、紹介から申し込みまでの競争が激しくなっており、検討する時間的余裕がほとんどない状況も生まれています。「少し考えてから決めたい」と思っている間に、別の入居者に決まってしまうというケースが実際の現場で頻発しています。




2-2. 初期費用の高騰が、入居タイミングを狂わせている


家賃が上がれば、それに連動して契約時の初期費用(敷金・礼金・前家賃・保証料など)も増加します。一般的に初期費用は家賃の4〜6ヶ月分が目安とされており、家賃17万円のカップル向け物件であれば、初期費用は70万円を超えることもあります。


来日直後の外国人材がこの金額を自力で準備することは現実的ではなく、企業や支援機関が立て替えや前払いを求められる場面も増えています。初期費用の調達が間に合わず、内定から就業開始までの期間が想定外に延びてしまうケースも少なくありません。就業開始の遅延は、受け入れ側の現場にとっても人員計画の狂いに直結する問題です。




2-3. 低価格帯物件への集中が、入居後トラブルを引き起こしている


予算内に収まる物件を探した結果、築年数の古い低価格帯物件で検討せざるを得ない状況が生まれています。問題は、そうした物件が「日本人でも通常は選ばない理由」を抱えていることが多い点です。


たとえば、洗濯機が二層式用のままで、現代の一般的なサイズの洗濯機が設置できない物件や、浴室やキッチンの設備が古く、現代の生活水準に合っていない物件などがその典型です。


日本人であれば内見時に気づいて敬遠するような問題点でも、”家賃優先”の視点から見落としてしまい、入居後に発覚して「設置ができない」、「予定外の費用が発生」などのトラブルになるケースが増えています。担当者にとっては物件を決めてからも対応業務が発生するという、手配工数の増大につながっています。






第3章:家賃高騰時代の住居手配、現場で使える3つの対応策


第2章で整理した課題を踏まえ、現場の実務として取り入れやすい具体的な対応策を3つご紹介します。いずれも「今すぐ動ける」視点で整理しています。




3-1. 「予算の前提」と「検討スピード」を、あらかじめ見直しておく


まず取り組むべきは、企業の住宅手当上限や外国人材本人の希望家賃帯の「相場感のアップデート」です。

数年前の感覚のまま「〇万円以内」という基準を維持していると、条件に合う物件がほぼ存在しない、という状況に陥りかねません。

エリアにもよりますが、従来の予算から5,000〜10,000円程度引き上げることを前提として、住宅手当の見直しや外国人材への事前説明を行っておくことが現実的な対応です。


あわせて重要なのが、検討スピードへの意識変化です。希望条件に合う物件が紹介された際、「数日考えてから」では手遅れになるケースが増えています。紹介から2〜3日以内に申込みを判断できるよう、あらかじめ外国人材本人と条件の優先順位を整理し、意思決定のフローをシンプルにしておくことが手配の成否を左右します。




3-2. 「職場の近さ」より「家賃+交通費のトータル」で物件を選ぶ


都心の職場に近い物件にこだわると、どうしても家賃が高くなります。

しかし視点を変えると、職場から少し離れたエリアで家賃を抑えたほうが、交通費を加味したトータルコストで見ると割安になるケースは少なくありません。

たとえば、東京23区内の物件で月10万円を払うより、少し外れたエリアで7万円の物件に住み、月2万円の交通費がかかったとしてもトータルで9万円と、1万円の節約になります。


企業の住宅手当と通勤手当のバランスを再設計する視点を持つことで、物件の選択肢を実質的に広げることができます。登録支援機関の担当者も、外国人材に物件を紹介する際にこのトータルコストの考え方を丁寧に説明することで、納得感のある合意形成につながります。




3-3. 「法人名義での契約」と「初期費用の立替支援」でハードルを構造から下げる


個人名義での契約に伴う審査リスクや初期費用の問題は、契約の仕組みを変えることで根本から解消できます。

まず、契約名義を法人にすることで、外国人であることによる審査落ちのリスクを大幅に低減できます。オーナーや管理会社にとって、個人の外国人より法人のほうが信用力が高く映るケースが多く、検討できる物件数の増加や手配の確実性が上がります。


次に、初期費用については、企業が立替払いを行い、本人の給与から分割で回収する仕組みを整えておくことが有効です。来日直後に数十万円を用意させることは現実的でなく、この仕組みがないと内定後の就業開始が遅延する原因になります。


さらに、外国人入居支援に特化したサービスを活用することで、法人ルートでの物件確保がより負担なく対応することができます。担当者の個別対応による工数を減らしながら、外国人材の住居手配の確実性を高めることができます。





まとめ:家賃高騰時代の住居支援は、「仕組みで解決する」時代へ



2026年の賃貸市場において、外国人材の住居手配を「担当者の個人的な努力と経験」だけで乗り切ることは、現実的に難しくなっています。


家賃高騰は一時的なトレンドではなく、構造的な変化です。


予算の前提を見直し、

検討スピードを上げ、

契約の仕組みを整える

——この3つを組織的に対応できているかどうかが、住居手配の成否、ひいては外国人材の定着率に直結する時代になっています。


外国人材が安心して生活をスタートできる環境を整えることは、単なる福利厚生ではなく、採用投資を守るための重要な経営判断です。


HaruNestでは、法人ルートでの住居手配支援を通じて、企業・登録支援機関の担当者の実務負荷を減らしながら、外国人材の受け入れをスムーズにするサポートを提供しています。住居手配でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。



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